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今までに何種類の値札を作ったか調べてみました。
何とおよそ1100枚!
初めての種類の花を仕入れたり値段を変えたりする度に三代目が持ってくる手書きメモを、ワードで作ったテンプレートに入力して印刷。
それを繰り返すこと約10年で、これだけ溜まったという訳で…
ざっと見て目立つのは百合の名前です。
百合は当店が得意とするところで常時数種類置いているので、折角だから名前も明示しようとどんどん作って、今となっては、こんなんあったんや…などという滅多に登場しないものも多々あります。
確かに私が作ったのに、すっかり忘れてるわ^^;
でも、忘れてもいいんです。
必要ならまた思い出せばいいんです。
それに、忘れることはいいことです。
先日、三輪明宏さんが凄くいいこと言っていました。
『不安になったり憂鬱な気分になっている時は、未来の取り越し苦労、暗い過去、怒り、恨み、必ず何かにこだわり続けている時です。
そういう時は忘れ上手になること。
考えないよう努力すること。
心の中からきっぱり追い出してしまうことです。』
おお~。
竹取物語を思い出したよ。
かぐや姫が月に帰る直前に、人間界での暮らし、お爺さんやお婆さんのこと、全てを忘れる天の羽衣を月の使者に着せられるのですが、これも単に低レベルな人間界のことなんぞ忘れてしまえーっというだけでなく、姫に辛い思いを引きずらせないための配慮だったのかも知れません。
年を取って忘れっぽくなるのも、ともすればたいそうなボケっぷりを発揮するのも、長年の経験の中の嫌な思いや今後自分がどうなってしまうのかという不安を少しでも軽くするための天恵かも知れませんね。
それでは問題です。
以下のグループ分けの基準は何でしょうか?
Aグループ…オリエンタル百合、リンドウ、オンシジウム
Bグループ…薔薇、ガーベラ、アルストロメリア
答えは、「花持ちの良し悪し」です。
Aは持ちの良い花、Bは持ちの悪い花であると同時に、当店においてはよく売れる花、売れない花とも言えます。
従って、Bグループの花は敢えて積極的に仕入れることはしません。
たまに三代目が魔が差して仕入れてしまい、あまりにも売れないので自宅に持ち帰って生けて観察すると、やっぱり弱いのです-"-
どれもとても素敵な花なのに、残念です。
特に今年のように夏が暑過ぎると、元々弱い花の弱さはますます顕著になるようです。
日本で日常的に花を飾る習慣があまり普及しないのは、夏場の高温多湿が一因かもしれません。
以前から切花の購入量は東高西低という印象があったけど、それは実は国内でも差のある気温や湿度による花持ちの良し悪しと繋がっていたのかも。
なのに、どういうわけか神戸は花屋が多く、過当競争により値段は確実に下がってきています。
しかし安くなれば普及するかと思えばそうでもないし、でも毎日花を見ていると間違いなくこれらは生き物であると実感するし、ならば命の値段は安くはないぞとも思うし、もう、訳分かりませんわ…
小菊の花弁にかじられた跡が!!
これは多分G(ゴキブリ)の仕業と思われます。
Gは雑食性です。
好き嫌いなく何でも食べるので、とても元気です。
しかも毎日がトレーニングです。
常に腕立て伏せ状態なぐらいに腕(脚)を曲げた低い姿勢を保ち、僅かな隙間も通り抜けます。
普通に歩いていても猛スピードです。
殺虫剤で攻撃すると、ひっくり返って脱力して脚が伸びてしまいます。
ああなると、腕立て伏せはもう無理です。
後には引けない性格なのか、正面から追い詰めると飛び掛かってきます。
これはさすがの私も苦手です^^;
だから飛び立つよりも先に殺虫剤のボタンを押します。
私とGの戦いは、早撃ちガンマンの決闘です。
殺虫剤が使えない時は、台所用洗剤を構えて追いかけるのではなく先回りをします。 追いかけても向こうの方が俊足です。
物陰へ逃げ込んだら、出てきそうな所で待ち伏せして、出会い頭にあのツルツルした背中に洗剤をピャッと一押ししてやります。
「油虫」というだけあって、油汚れを落とされると困るようです。
やっぱりひっくり返ってバタバタします。
動きが鈍くなったところで、ティッシュで長いヒゲを摘まんでぶら下げて屋外に放置。
私の勝ちです^-^
秋の彼岸は割とよく売れました^^
三代目の仕入れがうまくいったため、墓花1対(2束)1000円で売ることができたのも大きな要因だと思います。
何と6種類もの花が入ってこの値段!
もちろん1束500円でもOKですよ。
花屋は店構えや接客など販売方法も大事ですが、それ以上に仕入れが大事です。
他の商品ではありえないような日常的な乱高下の中で、より良いものをより安く仕入れて適正価格で販売する技って、めちゃくちゃ難度高そうな…
でも、きっとそれが商売の原点なのでしょう。
三代目は日々そんなハイレベルな原点を目指して、仕入れの技を磨いているようです^^;
花は6月の安値の後、7月後半頃から大菊、小菊を中心に高くなり、今尚大変な高値が続いています。
今週は洋花がようやく落ち着きを見せてきましたが、それも単に小売が売れないから仕方なく…という感じです。
墓花や仏花や葬儀に欠かせない菊は、需要が供給を上回ってますます争奪戦が繰り広げられる。
何故そんなに花が少ない=高いのでしょうか。
まず、生産者は昨年の値段が安かったので今年はそうならないよう少なめに作り、結果昨年と正反対の相場になったものと思われます。
また梅雨明け以降の暑さで花の生育が早まり、出荷のタイミングがずれてしまったこともあるでしょう。
暑過ぎて傷んで出荷できなくなった花も例年より多いかも。
本当に、花の相場は難しいです。
同じ農業でも、野菜は食物であり生活に直結するだけに高い安いはニュースにも取り上げられ、相場の安定を図ろうとする動きも見られるけど、花はなかなかそうは行きません。
しかし、これからは花も野菜と同じように価格の変動をできるだけ抑える努力をし、消費者の「花の値段なんて訳分からん」といった不信感を抱かせないようにすることが、この業界のひとまず安泰に繋がるのではと思います。